Golf Turning

LESSONレッスン

『日本ゴルフ界にある黒歴史』

2020.02.12 10:46

日本の若者ゴルファーに未来はあるのか?

日本ゴルフの長い歴史は、さかのぼること明治時代の神戸市から始まっている。
この100年以上の歴史の中で、全体的に考察すると一つの結論にたどり着く事柄がある。
それは、「全てのアマチュアゴルファーを翻弄していた歴史」であることが見える。
考えてみれば正にそうではないだろうか?

毎年続く飛距離UPのドライバーの広告、新しいレッスン理論の確立等、
ゴルフ業界の屋台骨であるメーカーのクラブ販売、プロゴルファー達のインパクトある
プロモーション活動等、これら全てはアマチュアゴルファー、つまり消費者に向けての
一本化された活動内容だったと思える。
しかし、肝心なアマチュアゴルファーは、これらの活動によって恩恵を受けたことがあるのだろうか?
仮に、これまでのレッスン理論がごく少数のパターンしかなければどうだったのだろうか。
またクラブの進化が3年に1回くらいの更新ペースだったら...、
そう、長年消費者として接してきたアマチュアの皆さんは気づいている。
確かに山のような情報は、消費者にとって「手を出しやすい」という意味では、
入口、間口が広いため、利用しやすく手にとりやすいように感じる。
しかし、「入口の広さ同様、出口も同じように用意されている」ことによって、初めてこのカタチが成立するものである。
残念ながら、アマチュアゴルファー達の出口は用意されていないことが大半だ。
結果、アマチュアは「迷う!」ということが「あたりまえ」になってしまった。
これがアマチュアを始め全てのゴルファーに当てはまる事実であることは言うまでもない。
なんと悲しい歴史ではないのか…。
一歩引いて、他国、海外ではどうなのだろう?
あくまで雰囲気、イメージではあるが、外人は皆好きなようにスイングをして
気ままにゴルフを楽しんでいるように見えてしまう。
それに対し、日本人ゴルファー達は、「迷う」「困る」といった方々は直ぐに目についてしまう傾向が強い。
これは、「日本人の気質が問題?」「アジアで最後に宗教が伝達された国だから?」「鎖国的なDNAが残っているから?」
数々の憶測があるが、私が感じたひとつの事例がある。
話の前提として日本では、基本的に変な打ち方やスイングをしている人を見ると、見られている人は恥ずかしいと感じていることが多い。
私が見た「とあるゴルファー」のゴルフはその独特なスイングをしていた。
その一見、格好悪いスイングで上手くなっているし、上手くできている。
しかし、そのゴルファーは「見た目」を重視し、スイングを改造し始めてしまった。
そこで生まれた結果は「迷い」である。
この出来事を目にしたのは一回や二回ではない。
この行動は本当に正しいことだろうか?
また、それをいいようにレッスンプロもゴルフメーカーも利用しているように私が感じた場面は少なくなかった。
そんな歴史は歯止めがかからず、ゴルファーに対して、「継続する」「楽しむ」といったものさえ奪っているようにさえ感じてしまう。
またゴルフを追求していくための個々のレベルアップを妨げているようにすら感じてしまう。
最近、あるレッスンプロから生徒さん、つまりアマチュアゴルファーの望んでいること、
心理状態を聞いてみる機会があった。
「最近レッスンはどうですか?アマチュアの生徒さんは上達していますか?」
「いや~、そもそも上手くなりたい!と思っている人なんてほとんどいませんよ」
この言葉に悲しさを感じたのを鮮明に覚えている。
ただ、日本ゴルフ界の歴史の中でも、「迷う」が少ない「シンプルな時代」があった。
それは今でいう「団塊の世代」の方々に当てはまる古き良き時代だ。
クラブはパーシモン、ほとんど種類も少なく、レッスン理論も今のように情報が無かったため、
誰も迷うことが無かった時代である。だからその世代のゴルファーはゴルフを愛し、
ゴルフを通じて、人と出会いとにかく楽しむことができていた。
しかし、今の若者や始めたばかりのゴルファーはどうだろうか?
昨今の平均的な日本の経済市場から見て、なかなかゴルフに勤しむことは大変な時代かもしれない。
その分ゴルフ場の利用も敷居が低くなり安価にできるようになっている反面もあるが、
私が見ていて現在、必死にゴルフをしているのは「団塊の世代」と一部の学生上がりや
プロ崩れのゴルファーだけに見えてしまう。
ゴルフ業界もこの状況を危惧し新たなゴルファーを増やすために日夜試行錯誤をする日々である。
しかし、この「迷う」という根幹を取り除かない限り、ゴルフを継続して行う新たな文化は
生まれることはないだろう。
ゴルフを辞めてしまった大半の人は「お金のかかる悲しいスポーツ」と感じているはずだ。
私達ゴルフ✖ターニングもこのことについてとにかく頭を悩ませ、打開策を思考している。
そこで、日本ゴルフの歴史の中で、古き良き時代より「変化していないポイント」はないか…と考えてみた。
それは「接待ゴルフ」である。

つづく

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